ビジネススキル

購買意欲を高める、影響力の武器

米国の有名な社会学者がこのようなことを言っていました。

人の感情は、様々な影響力に左右され、それを使えば消費者の購買意欲を高める事ができる。

これは、米国の有名な社会学者のロバート・B・チャルディーニ氏の言葉です。彼曰く、人の購買意欲を高めるために必要な影響力は、7つあるそうです。

■影響力を高める7つの理論
①コミットメントと一貫性
②コントラスト効果
③社会的証明
④希少性
⑤返報性
⑥好意
⑦権威

実際、世界のエクセレントカンパニー(高級外車や宝石店など)では、この7つの理論を駆使して、販促していました。そのいくつかを紹介します。

①コミットメントと一貫性 – 女にも二言は無い –

ある宝石店で、私の友人が予算を大幅に上回るダイヤモンドの指輪が思わず欲しくなった話です。その要因は、宝石店への入店時のやりとりにあります。

店員「どんな指輪をお求めでしょうか」

友人「サイドに小さめのダイヤモンドがセットされたものが良いです」

友人がイメージした指輪

 

友人は上記のように回答してみたものの、プランが具体的になるにつれて、予算を大幅にオーバーしたことに気付きます。しかし、それを店員に伝えたところ

店員「でも最初にこういう指輪が欲しいと仰いましたよね?必ず叶えましょう!」

と言われ、言葉に窮して購入してしまいました。これは、友人が店員から自分の理想を宣言(コミットメント)させられたことに原因があります。

人間というのは、過去に自分が宣言した行動と異なる行動をする事に不安を抱き、一貫性を保とうとする生き物なのです。

これが「コミットメントと一貫性」理論です。まさに友人もこの理論を優先してしまったのです。

②コントラスト効果 – 予算オーバーでも欲しくなる –

同様に、予算オーバーでも購買意欲を掻き立てる理論があります。それは「コントラスト効果」です。

別の友人の話ですが、彼はその日車を買いに行きました。

予算は250万円でしたが、ディーラーは300万円の車を勧めてきました。機能性にも機動性にも優れ、友人は釘付けでした。

理想の車

しかし、50万オーバーでは、さすがに手が届きません。

次に、ディーラーが友人に進めてきた車が288万円でした。友人は、「これくらいのなら買える」と考えその場で購入を決意しました。

最初に提示された「300万円」との比較(コントラスト)によって、予算よりも38万円も高いのに割安に感じてしまったのです。これが「コントラスト効果」の威力です。この理論は不動産業界でもよく使われています。詳細は割愛しますが、一番のお薦め物件は、だいたい「3件目」で紹介されます。

③社会的証明 – みんなが良いと認める商品は良い商品 –

人は、社会的に証明された商品、つまり「みんなが良いと認める商品」を強く欲しがります。

顧客が皆満足している

こんなフレーズを見ると社会的照明のアピールになります。多様化が進んでいる昨今、多くの人は「みんなと同じである事」に結局は安心感を抱きます。「販売員(店員、営業)がお薦めする」より「みんな(社会)がお薦めしている」と社会的証明を突き付けられた方が、消費者はずっと購買意欲を掻き立てられます。

また、最近では1人の口コミが製品やサービスの売り上げを左右する時代になってきています。例えば、食べログなどで、「この店のスタッフの態度悪すぎ!」みたいな事を書こうものなら、その店を破滅に追い込むことも…

評価が悪すぎるのも立派な社会的証明

こういうのやめてあげてください…と言っても、まぁ…自業自得なのかもしれませんが。

④希少性 – 希少性が高いものを好む –

通販などで服やバッグなどの装飾品や小物を買う際、消費者がつい目を向けるのは在庫情報ではないでしょうか?多様なサイズがある服やバッグの場合、例えば以下のように、消費者は在庫状況を一目で確認する事ができます。

白 「在庫あり」
黄色 「残りわずか」
赤 「完売」
黒 「キャンセル待ち」

人間は、「みんなが良いと認める商品」だけではなく、「希少性」が高い物を好みます。「残りわずか」などと表示されていると、「二度と手に入らないかもしれない」という思いに駆られてしまいます。

このような表示は、実は絶妙な希少性の演出となります。最近では、イベントサイトなどでもこのような手法は使われています。

 

⑤返報性 – 理論より感じろ!-

森永製菓の山下充洋本部長がこのような事を仰っていました。

「理論より感じろ!」

山下本部長が営業時代に実践していたのが、返報性だったそうです。返報とは、読んで字のごとく、「何かされたら、仮を返さずにはいられない」という人間心理のことです。不動産や保険、自動車販売などの現場でまずプレゼントを配るのは、まさにこの返報性を刺激するためです。

山下本部長の場合、当時インドネシアの販路開拓に挑んだ際、最有力の問屋へ100カートンの商品を無償で提供したそうです。「まず問屋を儲けさせれば、恩義を感じて協力してもらえると腹をくくった。言われてみれば、まさに返報性に期待した営業戦略」と話していました。

⑥好意 – 顔つき写真は親近感が湧く –

私たち人間は、同じ趣味を持っていたり同じ空間で生活していたりする人には好意を感じます。これは共通項が好意を生み出すからなのです。
さらに、外見が良い人は裁判で有利になるという研究結果なども存在します。これは外見が好意に結びつくという証明なのです。
また、好意を活用した例としてあげられるのは、飲食の販売における、生産者の紹介です。

顔が見えるとそれだけで親近感が湧く

これらは「人は好意を持つ人から買いたがる」という自動反応を活用した売り方です。
特に顔つき写真は、強い親近感を湧かせると言われています。

⑦権威 – 盲目的に信じてしまう武器 –

私たちは権威ある人たちの言うことに弱い傾向があります。
「有名人」というのも「権威ある人」に該当します。例えば、飲食店にある有名人のサインを考えてみてください。

有名人がたくさん訪れた飲食店

芸能人や政治家など、有名人がたくさん来ている店に「一度行ってみたい」と思ったことがある人も少なくないと思います。
また人間は、「社会が認めるもの」に加え「社会的権威が高い人」にも弱いです。

ビジネスで成功している人や、医者が言うことはすべて正しいように感じられますし、盲目的に信じ込んでしまう傾向があります。

今までお伝えした中で、最も気を付けるべき「影響力」かもしれません。

世界で活躍する企業はしたたか

「したたか」という言葉のイメージはあまりよくないかもしれません。しかし、世界の先進企業は、消費者の購買心理をうまく活用したマーケティングは常識です。
したがって、現代を生きる私達には、これまで見た事がないような「斬新な売り方」を探すだけではなく、消費者心理を突いた「したたかな売り方」を身に付ける事も重要なのではないでしょうか。

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