この記事では部下や同僚・後輩への伝え方について紹介しています。
こんにちは、Sky Hand(@theskyhand)です。
仕事を進めるうえで、伝える事・コミュニケーションが重要なことは、皆さんも十分に認識していることと思います。
そのような内容に関する、研修やセミナーも多数あり、自己啓発本も多数発行されています。
- どれだけ説明しても分かってくれない
- こちらの指示と全く違うことをやる
- 早めにやってと言っているのに、いつまでたってもやってくれない
- 伝えたのに何度も同じことを聞いてくる
ある書籍の著者が講師としてする開催するセミナーや研修で、管理職や管理職予備軍からよく耳にするのが
「部下、後輩にこちらの意図がうまく伝わっていない」
という悩みだそうです。
皆さんの日常業務でも、派遣社員や外部委託先への指示や、社員間のTT(テクニカルトランスレーション)や連携業務等において、同じような経験があるかもしれません。
そこで、僕が今まで受講したセミナーや体験から、仕事に参考になりそうな伝え方を紹介します。
皆さんにとっては、当たり前の内容かもしれませんが、何かの参考になれば幸いです。
目次
「伝えたつもり」と「伝わる」は違う
「伝えたつもり」は、一方向だけしか発信していない状態です。
「伝わる」は、双方向のコミュニケーションが成立している状態です。
「伝える」と「受けとる」がセットになって、はじめて「伝わる」になります。
例えばキャッチボールを例に考えてみましょう
- 相手のいる方向にボールを投げる → 相手がボールを受けとれる → 伝わる
- 相手のいない方向にボールを投げる → 相手がボールを受け取れない → 伝えたつもり、伝わらない

伝える側の業務知識や経験が豊富だと、このくらい分かるだろうと一方的に「伝えたつもり」になってしまいがちで、相手の目線とかけ離れていることがあります。
大切なのは、「何を伝えたか」より「どう伝わったか」「相手がどのように受け止めたか」です。
相手に「伝わる」ようにするためには、相手の反応にも注意が必要です。もし、「伝わっていないかもしれない」と思ったら、相手に確認して言葉を変えたり、情報整理してもう一度伝えてみてください。
場当たり的な伝え方はしない
伝える前には、実はしっかりとした準備が必要です。
自分自身が多くの業務を抱えながら、相手にも仕事をしてもらわなければならない。そのような状況にあると、忙しいのでつい思いついたことをそのまま言ってしまうと、思うように伝わりません。
事例:新商品のDM送付時の指示
(完成リストを見て)
(完成リストを見て)
(完成リストを見て)
(完成リストを見て)
どうでしょうか?場当たり的に伝えると大きな無駄が生じてしまいます。この事例の場合は、次のように伝えると効率良いです。
1. DMを送付する業種を選定したい(まず、目的を伝える)
2. 渋谷区と新宿区のファーストフード、ファミレス、居酒屋、Barの数を調査してほしい
3. その数がわかったら、どの地域のどの業種にDM送付するかを判断する
4. 次に店名リストアップしてほしい
伝える前には準備が必要です。準備をしないで何度もやり直すほうが時間のロスは大きくなります。
1. お願いしたい事を全てリストアップする
2. 分かり易い伝え方になるように順番を工夫する
3. イレギュラー、手戻りも想定しておく
4. どこで進捗確認するか決めておく
優先順位を明確にする
新しい仕事をお願いするときは、「今かかえている別の仕事を後回しにしていい」と指示することも必要です。
目の前にある様々な業務の緊急度や重要度を比較し、順に進めるのが優先順位です。人によっては、全て優先順位が高いと思い込んでしまい、消化不良をおこして期限までにできない仕事がでてきてしまうことがあります。
優先順位も重要ですが、今やらなくていい仕事を指示することも重要です。「優先順位の高い仕事を一つお願いしたら、劣後順位の高い(= 優先順位の低い)仕事を一つ作る」くらいに考えると良いです。
また、自分自身も「優先度をなかなか付ける事ができない」という方はインバスケット思考を身に付けることをお薦めします。

スモールゴールの設定
長期的な仕事になると、その仕事に取り組む時間も長くなるので、モチベーションを保ったり、行動し続けることが難しくなります。なので、通過点であるスモールゴールと進捗確認の方法や時期を設定しておくと良いです。
短期目標を設定しておくと、途中の過程で達成感を味わうことができ、モチベーションが上がります。仕事のやり方をうまく伝えたとしても、「確認」を怠ると失敗してしまう可能性が高くなります。途中確認すれば、方向性が違っていても、早めに気づくことができ修正もしやすくなります。
事例:新しいカタログの作成
3か月で40件の協賛広告主を集めるとします。
仮にメンバーが8人の場合、一人5件の広告主を集めれば目標達成です。この場合、例えばスモールゴールは次のようになります。
進捗確認の例として、週1回の定例、毎日なら朝会や昼会などを行います。進捗状況や困ったことなどを聞き、問題あれば軌道修正しましょう。
メールは仕事ではない
メールは履歴が残り、見直しができるなどメリットもある一方デメリットもあります。
・メールは見てもらえない恐れがある。
・こまめにメールチェックする人でも、見ることができない状態にある可能性がある。
・メールが多いと、見落とすこともある。
なので、当たり前のようにメールが届いたこと、相手がメールを読んだことを前提にすると危険です。
メールは相手の顔が見えないツールです。メール文だけだと何通りの解釈に取れることもあり、誤解を生むことがあります。日本語は曖昧なので複数の意味にとれることがあり、「伝わらない状態」に陥りやすいようです。
大事な案件や急ぎの仕事、急な変更は、確認の意味も含めて電話や口頭でも本人と話しましょう。
伝え上手は聞き上手
コミュニケーションを取る相手は、それぞれ経験の違いがあり、得意分野もあれば苦手分野もあります。
例えば、Aさんには一度で伝わる内容も、Bさんには繰り返し言わなければならない場合もあります。
その判断で大切になってくるのが「聞く力」です。「聞く力」を身に付けると以下のメリットがあります。
1、相手が何を知っていて、何を知らないか把握できる
相手の知識と技術を確認できれば、どの部分を重点的に説明すれば良いか明確になります。
2、説明したあとに質問しやすくする
聞き上手になると、相手は分からないことを質問しやすくなります。
伝える方がぴりぴりとした雰囲気を出していたら、質問して怒られることを恐れて、分からないことでも聞くことができず、曖昧なまま受け取ってしまうこともあります。
そうすると、着手が遅れたり、方向性が違う成果物を作ってしまうなどの問題が生じることがあります。
3、相手が主体的になる
相手の話をうまく聞き出すことができれば、相手のほうから主体的に行動してくれるようになります。誰しも「やらされる」よりも自分で「やりたい」ものです。
相手が主体的に動いてくれるようになると、成果もよくなります。何より、相手の成長スピードが速くなります。
「なぜ」をきちんと説明する
新しい指示を出すときは、結論だけでなく「なぜそのような指示を出すのか」をきちんと説明する必要があります。
結論だけ言って終わりにしてしまうと、「伝わっていない」状態になってしまう事もあります。
人は納得がいかないと動いてくれません。
事例:ある会社の営業部にAさん、Bさんという二人の部長がいます。二人とも、売り上げを上げるには、「既存客の販売数量を増やすように」メンバーに伝えていましたが、社長から「新規開拓に力を入れろ」と指示を受け、課員に以下の指示をしました。
部長Aと部長Bの指示では、どちらが納得感を持って動けるでしょうか?恐らく多くの方が部長Bを支持すると思います。
このように、納得して自発的に動いてもらうのと、「やらされ感」をもちながら仕方なく動くのでは結果も大きく変わります。
相手に動いてもらうためには、「なぜ」をきちんと説明する必要があるのです。「なぜ、そうするか」を伝えるポイントは次の4つです。
1. 仕事の「最終ゴール」を伝える
この仕事のゴールはどこで、それはどこにつながり、その最終ゴールはどこか。
2. 仕事の「全体像」を伝える
この仕事は、全体のどの部分か
3. 仕事の影響度を伝える
この仕事が遅れたり、間違ったり、やらなかったりするとどうなるか。例えば、誰が困り、会社全体にどう影響するか。
4. 仕事の「メリット」を伝える
この仕事がうまくいけば、どのようなメリットがあるか。例えばお客様との今後の関係が円滑にまわるようになるなど。
「なぜ、そうするか」が分かれば、納得して「〇〇までに、そのようにしなけらば」などと自分で考えてくれるはずです。
やることを具体的作業まで落とし込む
期限までに終わらない人に良く見られる特徴として、着手が遅いことが上げられます。
着手が遅い要因として一番多いのが、「何から始めたらいいか分からない」ということです。
新しい仕事を頼まれると、仕事の全体像が分からず漠然と難しく考えてしまいます。
どこからとりかかればいいか分からず、手は付けたものの中途半端になったり、全体を通しての作業がほとんど進まない状態になってしまいます。
「最初の一歩を踏み出せば目標までの道のりの半分は到達した」という人もいますが、大げさではないようです。
そういう場合は、やることを具体的作業に落とし込んで、仕事を分割してあげると良いです。また、「いつ」「どれだけ」やるかを決め、さらにそれを確認する時期を設定しておくと良いです。
1. 仕事をなんでも引き受けてしまう
他に仕事を抱えていて余裕がないのに、他の人から仕事を頼まれると安直に引き受けてしまう。抱えている仕事を明確にするため、一目でわかる業務一覧表を作り、他に仕事を抱えていないか確認すると良い。
2. 着手が遅い
・何から始めたらいいか分からない。
最初の一歩を踏み出すところまで付き添うと良い。
・期日の見積もりが甘い
他の人にも頼まなければならない作業があったり、想定以上に作業工程の中で時間がかかることがあるかもしれません。1~2日の予備日を作っておくことも必要です。
3. 丁寧にやりすぎる
いい加減な仕事はよくありませんが、必要以上に丁寧にやりすぎて時間をかけてしまうのもよくありません。不必要な部分に時間をかけすぎていないか見てあげると良い。
4. 一人で抱え込んでいる
途中でわからないことがでてきて、それを一人で抱え込んでいるケースもあります。こんなことを聞いたら怒られてしまうのではないか、評価がさがってしまうのではないかと思っているケースもあるので、何を聞かれても怒らないというスタンスを明確にしておくと良い。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
その時々に応じて有効な言い方(優しく言ったり、厳しく言ったりなど)は異なりますが、今回ご紹介した「伝え方」というのはどんな場面でも有効です。
最初にお伝えした通り、大切なのは「何を伝えたか」より「どう伝わったか」「相手がどのように受け止めたか」です。
もし、「伝わっていないかもしれない」と思ったら、相手に確認して言葉を変えたり、情報整理してもう一度伝えてみてください。
また、最近読んだ本で面白かったものを一つ紹介します。
この本は、人望を得るためにはどうしたら良いのか?また、信頼を得るためにどうしたらいいのか?と言う事が理論に基づいてコンパクトにまとめられています。
一流のデビジネスマンと言われるような方々が実践していることが詰まっているので、すべてのビジネスマンにお薦めです。
Roots Lab.では定期的にイベントを開催しています。興味のあるテーマがあればぜひご参加ください!