この記事では、実話に基づいて昇格試験の論文で手っ取り早く高い点をとる秘訣を紹介します。
前編を見てない方はまずはそちらからご覧ください。

どうも、大手企業に勤めるライターのSky Handです。
・スカハン先輩
某製造メーカーに勤める中堅社員。当時、論文(ライティング)には自信があったが、昇格試験前に部長に見せたら「これじゃ全然ダメ。出題の意図が全く分かってない」と言われ、落ち込む。その後、部長の指導やヒアリングを通して、自分なりに受かるポイントを分析して、無事合格。
・マジメ後輩
スカハンの会社の後輩で、社内プロジェクトでもたまに一緒になる。そしてお酒もスキで仕事終わりに飲みにいったりもするくらい仲が良い
前編を見てない方のために・・・もう一度、今回の論文の問題とその分析結果を思い出しましょう。
企業を取り巻く社会的および技術的環境は、かつて無いスピードで変革しており、変革をキャッチし迅速に対応することの重要性が高まっています。この点に関する、職場における課題をあげ、あなた自身が日常の業務を通してどの様に対処しようとしているか、考えを述べなさい。
・背景 :
企業をとり巻く社会的技術的環境がハイスピードで変化しており、その変革をキャッチし迅速に対応する重要性が高まっている。
・質問 :
①「変革をキャッチし、迅速に対応する」ことに関する自分の職場での課題
② その課題を自分の業務でどのように対処しようとしているか
論文を書き始める前に設計書を作ろう

<序論>
■なぜ「変革をキャッチし迅速に対応することの重要性が高まって」いるのか?
・経済のグローバル化が加速し、既存事業は市場の需要が飽和状態で、利益が減少傾向している
・世界経済は一層のグローバル化が進み、分野を超えた競争(例えば、デジカメ市場を浸食したスマホカメラ市場)が激化している
など
■「変革をキャッチし、迅速に対応する」ことに関する自分の職場での課題は何か?
課題1:各製品開発グループでソフト構造が不統一
課題2:開発グループごとの交流がなく要件が集約されていない
<本論>
■上記の課題に対して具体的にどのように対処しようとしているか?
対処1:各製品での何々レベルでの関数インタフェースを 今後のシステムか展開もにらんだ形で統一する
対処2:インタフェースの仕様の聞き取り調査を行ないながら各グループの抱えるユーザー要望の集約も試みようと思っている
<結論>
・今後益々技術は発展し、企業は分野を超えた競争が激しくなる
・より一層広い視野を持ち、他部門との協力関係のもと製品開発を行っていく事が重要。
ついに論文を書く
下記の例では、明示的に(改行)を入れています。実際の論文でもこのように改行を入れて可読性を上げることをお薦めします。
近年、世界経済は一層のグローバル化が進み、分野を超えた競争が激化している(例えば、デジカメ市場を浸食したスマホカメラ市場や文書のデジタル化が進み印刷市場がシュリンクしているなど)。また、私が携わっている○○事業では、一般家庭の○○が加速し、○○で利益を得ると言う従来の従来のビジネスモデルが壊れつつある。このような危機的状況を乗り切り、○○社が将来反転攻勢に出るためには、社会の変革をキャッチし迅速に対応することの重要性がますます高まっていると考える。
(改行)
私は現在、○○事業本部の○○センターにおいて、○○を開発する部門に所属してる。そこで私が認識している自部門の課題を以下に述べる。
課題1:各製品開発グループでソフト構造が不統一
課題2:開発グループごとの交流がなく市場の要望が開発内で集約されていない
(改行)
次にこの2つの課題に対して、具体的に私が自部門で取り組んでいることについて述べる。
(改行)
1. 各製品開発グループでソフト構造が不統一
ユーザーのシステム化の要望を素早く取り込んでいくには自部門での~
同一製品系列であっても各製品開発グループ(例えばXXXとYYY)ごとにソフト構造が統一されていない現状では~が不可欠である。
そこで私は、○○を調査したところ○○ということが分かった。この調査結果から○○してもらった。
その結果~ほにゃらほにゃら
(改行)
2.開発グループごとの交流がなく要件が集約されていない
顧客視点で製品開発を行うためには、部門の垣根を越えて品質を向上させる仕組みが必要だと考える。そのためには、開発・企画・品保部門など、部門を横断したワーキンググループを立ち上げ、仕様検討の初期段階から企画コンセプトの確認や意識合わせを実施する事が重要である。
そこで私は、○○をすることで○○した。
その結果~ほにゃらほにゃら。
(改行)
以上、本論では自部門の課題に対して、自分なりに対処していることを述べた。
今後は、より一層自社を取り巻く環境の変化は激しくなると考える。その時に、私自身組織の中核を担う人材として、リーダーシップを発揮し、最大最高のアウトプットを生み出し、部門の目標達成、ひいては会社の目標達成に貢献していく所存である。
その他のテクニック
その他、論文を書くときには、注意事項や裏技的なテクニックもあります。
ネガティブだけと言うのはダメ
ネガティブな表現は嫌われます。だからと言って、すべてポジティブな事ばかりでは書けないことも多々あります。
ネガティブな問題提起をした場合には、必ずそれに対する自分なりの対処方法を書いてください。誰かがやれば良いというのはNGです。
例えば「原因の一端は現状の縦割組織にある」と書いてしまうと、暗に「そういう風に決めた会社が悪い。僕にはどうにもできない」と言っているようなもので、そのままでは具合が悪いです。
そういう時は「私なりにできることとしては……があると思う」のような表現に変えて、そのような問題に対しても自分としては前向きな意見を持っているという事をアピールする必要があります。
コジツケ論
「本番では何を聞かれても、練習で書いた事を上手く書き換えればよい」
こういうアドバイスをもらったことがある人もいると思います。
結論から言うと・・・どっちでも良いです。僕は、最初は邪道だなぁと思っていましたが、最終的には書き換え作戦にでました。
ただ、僕に論文を教えてくれた部長はこの意見には最後まで否定的でした。
理由は・・・・その方法で上手くいった人が少ない、とのことでした。また、こじつけで上手く乗り切るには相当な文章能力が必要とも言っていました。
ただ、しっかりと論文の設計書を作れば、こじつけにならず自然な論理展開にすることも十分可能です。
嘘の付き方
基本的に嘘は付いてはいけません。しかし、どうしても本当の事だけでは設問に正確には答えられない場合もあります。
例えば、「定量的に示せ」という設問があった場合に普段そのような業務についていない人など・・・。
そういう時は、以下のように思い切って嘘でも定量的に書いちゃいましょう。
× システム導入により、業務の効率化を図ることができた
〇 システム導入により、30%工数削減ができた
まとめ
と言う事で、僕が昇格試験の論文を書くときに気を付けたポイントや書き方をマジメ後輩に伝えてきました。
その後、マジメ後輩は無事合格しました!
今回お伝えした論文の書き方は、ざっくり4部構成で
①背景
②課題
③具体的に取り組んでいること
④まとめ
という流れでした。しかし、論文と言うのは必ずしも構成に倣う必要はありません。
①問題点
②それが背景とどう関わるのか
③対処
のように、まずドキッとするような問題を提起して目を引くという筋立てもあります。
あるいは、
①いきなり世間話
②それが実は背景と関係あるだよ
③つまりこんな問題があるという見方もできる
④対処
のように、あれ、何のこと言ってんだ?と不思議がらせておいて、最後になるほどね、と感心させるという高度なテクニックもあります。
僕の知り合いでこんなトリッキーな出だしを書いた人がいた。
「人類の進化論をご存知でしょうか?」
その後、どういう論理展開したのかは分かりませんが、無事受かったそうです(実話)
しかし、皆さんはあえてこんな冒険のような出だしを書く必要はありません。大事なことは次の2点です。
1. 人の書いた文章を正しく理解する能力
2. 論理的な説明をする能力
今回の内容は論文テストだけでしか通じないようなテクニックもありますが、一般の問題解決方法にも同じ事が言える部分もあると思います。
マジメ後輩の論文の出来があまり良くなかったのは、根本的な原因は、自分が解答を書くことだけに目がいってしまって、採点官が何を要求しているかを正確に汲み取っていなかったからです。
しかし、こういう間違いをしてしまうのは良くある事で、他の問題に対処する場合も気をつけなければいけません。
繰り返しにはなりますが、試験本番でもいきなり論文を書き始めてはいけません。まずはじっくり問題を分析し、そして設計書を書いてください!それだけで論文はめちゃくちゃ書きやすくなります!
それでは、これから昇格試験で論文がある方は、色々大変だとは思いますが頑張ってください!
最後に
論文対策で良かった本をご紹介します。
「全試験対応! 直前でも一発合格! 」
この本は、ポイントがしっかりまとまっており、例文もたくさん載せられているため非常にわかりやすいです。
本ブログで書いていることも一見すると「そりゃそうだ、当たり前だ」と思う事も多々あったかもしれませんが・・・
実際に自分で書いてみるとよく分からないことも多いと思います。
そんな時、この本でポイントと例文を確認できるので大変助かります。
箸休め
今回の記事では、昇格試験に特化した文章の書き方について実話を通してお伝えしましたが、「読まれる文章」の書き方は様々です。
例えば面白いブログやメルマガは、タイトルや序文によって続きを読みたいと思わせてくれます。
僕が個人的に面白いと思ったメルマガを一つ紹介します。
その名も「年収3億円女子大生メンターの教え」。
ここで僕が詳細を話すのもやぶへびなので、お時間ある方はぜひお読みください。
ぜひ試験勉強の休憩がてらお読みください
Roots Lab.では定期的にイベントを開催しています。興味のあるテーマがあればぜひご参加ください!