この記事では、昇格試験の当日(実際に試験が始まってから)どのように論文を書き始めれば良いかについてご紹介しています。
現在無料で昇格試験の論文を添削しています。お気軽にお問合せください。
ソニー、キヤノン、パナソニック、東芝、オムロン、豊田通商etc. ・・・多くの日系大企業では、昇格試験に論文を課しています。このような企業にいるサラリーマンの方であれば、論文が書けるかどうかで、生涯年収が数千万変わることも多々あります。
今回は、大手企業で開発ドキュメントを作成し、ライターでもある私Sky Handが論文の出題例を元に、どのようなポイントに着目して論文を書けばよいかを徹底的にお伝えします。
出題例
下記のような論文の課題が出題(※)されたとします。
※出題例は筆者作成
経営環境がますます厳しくなる中、組織として最大の成果を出すために、一人一人があらゆる経営資源を最大限に活用した上で生産性向上を図ることが求められます。あなたが考える「生産性向上」が何かを明らかにした上で、 あなたが日頃から実践していることを具体的に述べなさい。
論文設計書の作り方
論文試験の時間の1/5を使って(※)下記2つの観点で「論文の設計書」を作ります。
※150分の試験であれば、約30分かけて論文の設計書を作ります。
①出題の意図を十分に理解する
今回の出題例で出題者が聞きたいことは
・「生産性向上とは何か」
・「生産性向上実現のためにあなたが実践していることは何か」
この2点です。出題者の意図を組み取らないと、どれだけ論理的な文章が書けたとしても昇格試験の論文としては評価されません。
②論旨の組み立て
キーワードを押さえ、論じる各項目をリストアップします。
厳しい経営環境 | 景気後退、環境間題、差別化困難、競争激化 |
---|---|
経営資源 | 要員 (社員 派遣·取引先)、物(ハード/ソフト·資産)、金(予算、 投資) |
その最大活用 | 生産性を向上させるため、各リソースを効果的に使うこと。 効果的に使うとは何かも押さえる(各リソースの質を上げる、最適な組み合わせを行う等)。 |
生産性向上 | この論文の1番のポイントは「生産性向上」を明確に定義すること!これが不十分だと論文の完成度は著しく劣る |
このように、それぞれのキーワードが何かを書き出しておくとよいでしょう。
また上記表にも記載したとおり、今回の出題例の1番のポイントは「生産性向上」です。これを明確に定義していないと合格はかなり厳しくなります。
論文設計書の例
前述の考え方を元に、論文の設計書を書くと以下のようになります。これに肉付けしていけば論文は完成です。
今回は、あなたがプリンター事業部に所属しているというテイで書いてみます。
<序論>
■なぜ最大限の生産性向上が求められるのか?
○○(←自社名)は現在、オフィス機器やカメラ機器といった既存の主力事業が成熟化し、市場が縮小している。プリンター事業も、SNSサービスの拡充により、一般家庭の印刷離れ→既存のもの収益構造が壊れつつある。他社→大容量インクタンクプリンターやインク使い放題のサービスを展開するなど、ビジネスモデルの転換を図っている。
<本論>
■生産性向上とは何か?
人+物+資金(リソース) →生産性(アウトプット) つまり最小のリソース投入で最大のアウトプットを上げることが、生産性向上である。このため投入するリソースの質を如何に高め、また高い質のリソースを如何に配分(マネージメントカ) するかが生産性向上の最大のポイントになる。
例えば「人」の要素で言えば、 コンピュータには出来ない問題への「気づき」と「発見」の力を高めることが非常に重要であると思われる。
「物」については IT 技術の活用と進化で、シミュレーションや VRを応用し、試作機や要員数の削減を実現できる。
「資金」の要素では、 スキルのある要員がIT をフル活用することにより、作業品質と時間短縮が可能となり、 結果として精度の高い予算管理が行え、最小投資が実現するはずである。これらを目的に応じた最適な組み合わせを行い、最大のアウトプット上げることが生産性の向上(生産性革新)である。
■具体的に取り組んでいることは何か(ここはあなたが実践していることを書いてください)
例1)業務ルールの標準化
– 課題:〇〇の要因により作業工数に遅延が発生
– 対策:業務フローを整備し、〇〇することで〇〇をやってもらう
– 結果:〇〇%の工数削減ができ、納期を厳守できるようになった
例2)プロジェクト管理ソフト導入による業務の効率化
– 課題:開発・企画・品質部門など、他部門との調整が必要にも関わらず個別のやりとりにより、抜け漏れがあり、手戻りが発生していた。
– 対策:プロジェクト管理ソフトを導入することにより、タイムリーかつ個人に依存しない情報共有の仕組みを構築
人の育成(自分も含める、CKI+スキルアップ等) +活用(目的の共有)、物 (IT)の活用の二つをどう行っているかを述べる。
<結論>
本論で論じた生産性向上の実践を今後、どう進めていくのか?またしっかりPDCAを回して行き、一層の生産性向上を実現し、会社の競争力維持と発展に貢献していく決意で纏める。
例)
-市場の動向や実情に合わせて製品仕様や働き方を柔軟に変化させていく
-メーカーにとっては他社との生き残り競争が激しい中、常に利益を最大化するということを念頭に生産性向上を図っていく必要がある
まとめ
論文試験は、問題を見ていきなり書き始めてはいけません。必ず最初の30分くらい(構成が決まらなければ40分くらい)使って、必ず設計書を書いてください。
そうすれば、何を書けばよいか迷ったり、本来入れるべき内容を取りこぼしたりすることはありません。
もし論文の書き方に迷っている方がいればコメント欄などでご質問ください。
あらためて、昇格試験の論文がどういうものか、そして論文の練習はどうすればよいかについては、下記の記事を参照してください
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試験直前までの有料サポートサービスを利用しましたがとにかく安い。もう少し価格が高くても満足したサービスだった。
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