この記事は、主に大企業における昇格試験の論文・レポート対策や昇進論文のサンプルについて紹介しています。
昇格試験に論文やレポートを課している企業は少なくありません。このような企業では、論文が書けるかどうかで、生涯年収が数千万変わることもあります。
・昇格試験の論文やレポートが書けない
・論文やレポートを書いたことがない
・自部署の課題についてレポートや論文を書かないといけない
・将来に向けて、昇格試験の論文やレポートがどういうものか知っておきたい
・昇進論文のサンプルが欲しい
今回は、某製造メーカーでソフトウェアの設計やマニュアル制作にも携わっているわたくしSky Hand(@theskyhand)が最強の論文の書き方を伝授します。
なお、試験当日にどうやって論文書けば良いんやー、ってことを手っ取り早く知りたい方は、下記の「受かる論文の書き方 | 論文を書くための設計書を作ろう」をご覧ください。
目次
昇格試験に向けての準備
昇進/昇格試験の論文試験では、受験者が昇進/昇格させるに相応しい人物かどうかが見られます。
企業によっても変わりますが、昇格試験における論文では、次のような事が試されます。
① 何を考えているか(自分の主張)
② 熱意があるか
③ 表現力があるか
④ 論理的思考力があるか
⑤ 会社にどう貢献していくか
また、当然の事ながら出題の予測をしておくことも重要です。
・過去の例題
・企業を取り巻く環境
・社会情勢 etc.
ちなみに、どの企業でも共通でよく出るのは「職場における私の役割と課題について具体的に述べよ」というテーマです。
また、過去の例題を先輩方に見せてもらう際、合格したときの論文一緒に見せてもらうというのも、合格に近づくための有効な手段です。
できるだけ多くの先輩から合格論文を見せてもらい、どのような視点で書かれているか分析してみてください。
論点の整理
論点を整理するためには、日頃からネタを取り溜めておく必要があります。
何故なら、いざ論文を書こうと思っても元ネタが無ければ書けません。
今、あなたの企業にとって何が必要か。普段からの不満や要求、問題と思っていることや、本来こうあるべきだと思っている事、これらを普段から書き溜めておいてください。
・あなたがやっている業務はどういう結果をもたらしているのか?
・担当業務は何か?
・具体的な(できれば定量的な)成果は何か?
こういったものをまとめていれば、論文も書きやすくなると思います。
熱意を起こす
当然会社(論文の採点者)は、自社に貢献する人を昇格させたいと思うはずです。
この会社を良くしてやる!
もっと利益貢献してやる!
といったような熱意と表現力が試されます。
会社にどう貢献するか
会社をよくするため/問題を解決するための実行手順や自分の果たす役割を考えます。
会社や上司を批判するような論調はNGです。
問題の解釈方法
昇格試験の論文というと、ある状況下において「何を」「どうしたいか」という形式で出題されます。
予想どおり出題されることはまずない。しかし・・・
昇格試験の論文は、準備無しでは当然書けません。しかし、予想どおりの問題が出るということはまずありません。それ故に準備しておいた論文を、出題に合わせる技術が重要になります。予想が外れても絶対にあわてないでください。
題意を受ける
題意を受けるとは、簡単に言うと出題テーマに賛同する(肯定する)ということです。
論文は大きく「序論」「本論」「結論」の3部構成で書きますが、「序論」では題意を受けて、自分の主張に置き換えます。
この主張はあらゆる問題解決の基本となるものなので、どのような出題に対しても答えとなり得ます。
序論で、どのように出題テーマに賛同するかは次の例を参照してください。
■出題テーマ
会社が永続的に発展し続けていくためには、より強い組織へと変革していかなければなりません。あなたが考える強い組織について論じなさい。
■序論
近年、世界経済がグローバル化の一途をたどり、分野を超えた競争が激化している。自社も主力事業が市場の成熟化に直面し利益が減少傾向にある。例えば○○(←具体的な危機を書く)。このような環境の中で利益を生み出し、会社が永続的に発展するには、より強い組織へと変革する必要がある。そこで、私が考える強い組織とは、次の2つであると考える。・・・
このように出題テーマに対して、賛同しつつ自分の主張を述べると良いでしょう。
次の「序論のバリエーションを準備しておくこと」で、もうすこし詳細に説明します。
序論のバリエーションを準備しておくこと
前述の題意を受けて序論を書くためにも、過去問から出題されるテーマの傾向を分析しておく必要があります。
私の場合は、以下のように序論を書くために、自社を取り巻く環境を踏まえた「課題」と「解決策」の組み合わせを準備していました(これ以外にもいくつもありましたが一例です)
自社を取り巻く環境を踏まえた「課題」
・コンスーマー市場はコモディティ化が激しく進行
・競合メーカーを凌駕する新製品開発の実現
・生産性の向上による短手番での新製品投入
・全体最適化による利益の最大化
・開発・品保部門の連携による新たな品質評価体制の構築
・最小限の投資で最大限のアウトプット
「解決策」
・長期的な計画で利益を最大化する
・既存のビジネスモデルからの転換
・常に主体的で柔軟な発想
・常に利益を意識した発想
・全体最適に基づいた発想
・部門の垣根を越えて協力関係を築くという発想
これらをどうやって活用するのかというと、例えば、以下のような出題があったとします。
世界的な競争の中で自社が成長していくためには前例にとらわれない発想により、仕事の内容やプロセスに価値を追求していく必要があります。あなたは業務の中でどのような発想でどのような価値を生み出しているか具体的に述べなさい。
この出題に対して、(出題テーマに賛同するために)自社を取り巻く環境を踏まえた「課題」と「解決策」を組み合わせて序論を書きます。
グローバルな競争の中で、○○(自分の所属企業)は新規事業の育成が急務とされている。とりわけ、私の所属している○○事業部については、市場のコモディティ化が激しく進行し、需要の頭打ちと低価格化が同時に進んでいる状況にある。このような中で○○(自分の所属企業)が成長するには、既成の概念にとらわれず社員一人一人が仕事の中で、新しい価値や付加価値を生み出して、一層の競争力を付ける必要がある。
そこで私は、常に利益を最大化するために何が求められるかという事と、部門の垣根を越えて協力関係を築くという発想の基、担当業務を遂行している。そして既成のプロセスやルールをブレークスルーする事によって、「コストの最適化」と「ユーザビリティーの向上」の価値を生み出している。以下で担当業務の中でどのように取り組んでいるかを説明する。
昇格試験に合格するための戦略
キーワードを散りばめる
①序論で題意に沿って書いているということを強く印象付けること
②論文の随所に題意のキーワードとなる文言を入れること
③「結論」でも題意のキーワードとなる文言を入れることで、問題の再定義をおこなうこと
主張と熱意を込める
①抽象論や机上の空論ではなく、具体的にどう実行してたのか、自分の役割と手順を述べる
②自己暗示をかけるつもりで、前向きな表現を使う
本論で書くこと
①新規性があり、時流やトレンドにあっているもの・こと。自分の主張
②実際に「自分が業務で実施したこと」を述べる。
そのためにも、事前に自分の業務の棚卸をしておき、5~6個考えておく。
試験では、その中から出題テーマにあったものを2~3個選ぶ(実際の論文には最低2つ書いた方が良いと言われている)
③過去問を分析し、出題テーマと②の自分が業務で実施したことの論点が合うように書き換え練習をしておくこと
お薦めの勉強法
やはり何と言っても実際に手を動かして論文を書くことです。
僕の場合、最初はパソコンで打っていましたが、試験が近づいてきたら本番同様に、鉛筆とA4用紙を準備して時間を計りながら書いていきました。
また、論文対策の勉強で良かった本をご紹介します。
「全試験対応! 直前でも一発合格! 」
この本は、ポイントがしっかりまとまっており、例文もたくさん載せられているため非常にわかりやすいです。
本ブログで書いていることも一見すると「そりゃそうだ、当たり前だ」と思う事も多々あったかもしれませんが・・・
実際に自分で書いてみるとよく分からないことも多いと思います。
そんな時、この本でポイントと例文を確認できるので大変助かります。
昇格試験の参考ブログ
下記2つのブログは、僕が後輩に論文指導した実体験を綴っています。
前編、後編と2部に分かれていますが、かなり具体的な指導内容を書いています。
ぜひご一読ください。
このブログを読んで頂いた方から
「まさに自分もそうでした」
「自分がダメなポイントが分かりました!」
「非常に分かり易かったです。おかげ様で合格できました」
と非常に好評でした。
お時間ある方はぜひご一読ください。
昇格試験の論文添削サービス
現在、期間限定で皆さんの論文を無料で添削しています。自宅で一人で勉強しても、なかなか大変ですよね?
・誰かにフィードバックをもらいたい!
・もう少しヒントが欲しい!
そういった方は下記のLINEから「論文 添削」でお気軽にお問合せください。
※問い合わせが多い時期は回答が遅くなる可能性があります。
下記が添削の一例です。
LINEの友達追加後、「論文添削例」とメッセージ頂ければ、上記の論文添削例をプレゼントします!
また最近では、大手企業の社員の方から依頼を頂くことも多いです。
・キヤノン(G3試験)
・オムロン(主事試験)
・ツムラ(PR3論文)
・クボタ(テーマ:オーガニックグロース)
・医療法人社団 明芳会
・SCSK株式会社
・大和ハウス(G6試験)
・クラブツーリズム株式会社
・株式会社ツムラ
・クラシエ(テーマ:職場における課題)
・RYODEN
など多数
また、添削サービスをご利用いただいた皆様の声も掲載しておきます。
試験直前までの有料サポートサービスを利用しましたがとにかく安い。もう少し価格が高くても満足したサービスだった。
論文添削を初めて、「あーこの論文だと落ちるなぁ・・・」と思ったポイントも分かってきましたので、以下のブログでまとめてみました。
こちらもお時間あればご一読ください。
箸休め
今回の記事では、昇格試験に特化した文章の書き方をお伝えしましたが、「読まれる文章」の書き方は様々です。
例えば面白いブログやメルマガは、タイトルや序文によって続きを読みたいと思わせてくれます。
僕が個人的に面白いと思ったメルマガを一つ紹介します。
その名も「年収3億円女子大生メンターの教え」。
ここで僕が詳細を話すのもやぶへびなので、お時間ある方はぜひお読みください。
ぜひ試験勉強の休憩がてらお読みください。
Roots Lab.では定期的にイベントを開催しています。興味のあるテーマがあればぜひご参加ください!