この記事は、インバスケット試験の例題と模範解答について紹介しています。
編集部のSky Hand(@theskyhand)です。
近年、吉野家ホールディングスの企業研修や、キヤノン株式会社の昇格試験など様々な企業でインバスケットが導入されています。そこで今回は、初めてインバスケット試験(アセスメント)を受ける人のために、実際の問題がどういったものかについてご紹介します。
・インバスケットがどんなものか知りたい
・インバスケットアセスメントがあるが、過去問を見たことない
・仕事で上手く優先順位をつけることができない
もちろん、僕も昇格試験でインバスケットを受けました。
僕が受けたインバスケットはマーク式でしたが、その経験に基づいて紹介していきます。ただ、考え方自体は記述式と相違ないと思いますので、最後まで一読頂ければと思います。
目次
インバスケットとは
インバスケットとは、制限時間の中で架空の人物の立場に立って、多くの案件を高い精度で処理を行うビジネス・ゲームのことです。
ルーツは、1950年代にアメリカ空軍で教育訓練の結果測定のために開発されたといわれています。そこで習得された知識が、戦場で活用できるかシミュレーションを行っていたそうです。
また名前の由来は未処理箱(=インバスケット)に入っている案件を処理していくことが求められるゲームなので、「インバスケット」という名前がついたと言われています。
現在、オムロンやキヤノンなど日本を代表する大企業の管理職・リーダー向けの教育ツールや昇格試験として活用されているそうです。また、近年では官公庁や中小企業でも採用されるようになったそうです。
インバスケットで得られる効果
今回の記事は、あくまでもインバスケットの試験対策ですが、実際にインバスケット研修を受けると、主に次のような効果が得られるといわれています。
・優先順位設定力の向上
・問題解決力の向上
・洞察力の向上
・判断力の向上
つまり、昇格試験のインバスケットも、これらの能力があるかどうかが見極められていると言えます。
インバスケットの特徴
インバスケットの特徴は主に4つあります。
・仮想の人物になりきる(受験者とは違う業種・役職)
・無理のある時間設定
・直接案件を処理できないような制約がある
・絶対的な正解はない
特に、上記4つ目の「絶対的な正解はない」というのを強く意識する必要があります。
皆さんは、優先度を決める上で何かしらの基準を設けて意思決定していると思います。大事なのはその基準に則って優先度を決めているか、つまりこの試験においては回答の整合性も重要視されるのです。
インバスケットの例題を解いてみる
それでは、他にも色々とインバスケットに関してお伝えしたいこともありますが、百聞は一見にしかず!
つべこべ言わず、さっそく問題を解いてみましょう!
①主人公になりきる
②制限時間を意識する
③絶対的な正解は無い事を意識する
インバスケット例題1
まずは、簡単な問題からいってみましょう。
とは言え、最初の例題は実際のインバスケットではありません。しかし、皆さんが普段からちゃんと優先度を付けて仕事を進めているかどうかがわかります。
しっかりと問題文を読んで回答してください。
(A)~(K)を解いて、計算結果の合計点がなるべく高くなるようにしてください。
時間は30秒です。
(A) 6+2+3+3=□
(B) 3+4+4-2=□
(C) 3+16+7-12+1+9=□
(D) 5+6+7+18-10=□
(E) 21+19-17=□
(F) 4+(2+3)×4-12-1-11=□
(G) 28+18+4+39+7+19=□
(H) 42+19+7-18-28=□
(I) 27+24-33=□
(J) 15+19+6+37=□
(K) (G) + (J) =□
さて、合計点は何点になりました?
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満点は520点です。満点取った方はいらっしゃるでしょうか?
もし取った方がいると、シンプルにすごいです!
でも、大半の方は満点ではなかったと思います。別にそこは気にする必要はありません、たった30秒ですので全部計算するのは難しいと思います。
そうです、まさにたったの30秒しかない、そこがこの問題の一番のミソなのです!
この問題の質問を覚えていますか?
「(A)~(K)を解いて、計算結果の合計点がなるべく高くなるよう」に計算することなのです。
だから、簡単そうな問題だからと言って、いきなり上から順に解いてはいけません。
まずは全体を見てください。この問題で高い数値になる計算は(G)、(J)、(K)なのです。
また、(K)は(G)+(J)の和になっています。
したがって、計算の順としては(G)→(J)→(K)を解く、というのが正攻法だと言えます。
これが優先順位付けです。
今回、多少の計算ミスは気にしないでください。どの問題から解き始めるか、というのが一番のポイントです。
インバスケット例題2
次は、実際のインバスケットの簡易版です。処理する順に案件を並べ替えてください。
あなたは食品加工を主体とする会社の大阪支店営業課長です。この企業は全国に9支店と4つの工場を持っています。あなたが営業研修を終えて会社に戻ると以下のように4つの案件が溜まっています。
何から処理をするべきか考え優先順位を付けなさい。
(制限時間は5分です)
■案件1
・発信日:10月5日 8:00
・タイトル:納品不良について
・発信者:営業員A
・内容:先日大得意先のA社から、納品した食材に不備があると指摘を受け、このままでは継続的に取引できないといわれました。早急に見解を出すように言われています。
■案件2
・発信日:10月5日 18:00
・タイトル:支店会議について
・発信者:副支店長
・内容:10月9日の支店会議に急遽社長が参加されることになった。あなたに関西地域の営業の課題と対策について発表していただきたい。事前に支店長にもプレゼンお願いします。
■案件3
・発信日:10月3日 14:00
・タイトル:ヒアリング依頼
・発信者:労働組合
・内容:貴部署の家族から不当に休日出勤させられているという相談がありました。勤怠管理についてヒアリングさせてください。
■案件4
・発信日:10月4日 15:00
・タイトル:通達
・発信者:常務取締役
・内容:関西地域の業績が悪化しています。決算にも大きな影響が予測されるため全員危機感を持って目標必達してください。
インバスケット模擬試験
それでは、いよいよ実践的な問題を解いてみましょう!僕のnoteで模擬試験問題を載せています。
ぜひ挑戦してみてください。
インバスケットまとめ
いかがでしたか?
インバスケットで優先順位を付ける時のポイントは、「頑張らないように頑張る」ということです。
どいう事かというと、自分がやるべきことは自分がやり、自分がやらなくて良い事は他人にやらせます。
そのためには、
①何からすべきか
②どれだけ力をかけるか
この見極めが重要です。
見極め方については別途詳しく紹介しますが、緊急度(時間軸)と重要度(影響度)の2つの軸で判断すると良いと思います。
また、インバスケットがどういうものかもっと詳しく知りたいという方は以下の書籍がお勧めです。
番外編:どうしてもインバスケット試験に受からない
何のためにインバスケット試験受けるのか・・・それは昇格するためですよね。では、何のために昇格するのでしょうか?
影響力が大きな仕事をするため?地位が欲しいため?
いやいや、給料を上げてお金を増やすためですよね、きっと(え、違うって?笑)
お金を増やすのは、何も給与所得を上げるだけではありません。支出や適切な投資を行うことでお金を増やすことも可能なのです。
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