2019年9月29日(日)に、Roots Bar「お酒を片手に株式投資を学ぼう〜企業情報を読み解く〜」を開催しました。
講師は、某外資系監査法人で現役のコンサルタントとして活躍されているびすこさんです。
今回のイベントでは、現役のコンサルタントとして実際に現場で分析している手法を基に、アニュアルレポートの読み解き方を解説して頂きました。参加者からは
・専門家の方の生の声を聞けて非常に勉強になった
・アニュアルレポートがこんなに面白いとは知らなかった!
・株式投資する際にも役立つ内容でした。
などといった感想があり、非常に充実した時間となりました。
目次
アニュアルレポートとは一体何?
まずは導入として、今回のファシリテーターでRoots Lab.お金研究会の安田優さんから、「アニュアルレポートとは何か」という話がありました。
アニュアルレポートとは「数字では見えない資産」を把握するもの
アニュアルレポートとは、日本語では「年次報告書」と訳されるもので、企業が株主や金融機関などの関係先に年度末に配布する、経営内容についての総合的な情報のことです。
アニュアルレポートは、法律で定められた決算短信や有価証券報告書とは異なり、さまざまな要素を自由に盛り込むことができます。例えば、
・社長のメッセージ
・企業理念
・事業戦略
・CSRへの取り組み
・社員の動向 など
そのため、長期投資で重要となる経営者の考え方や企業のビジョン、社風などの「数字では見えない資産」を把握することができます。
このことからも、アニュアルレポートを読み解けると、株式投資だけではなく就活や転職の際の企業分析にも役立ちます。
あの投資家もアニュアルレポートを重要視している
「10年、50年経っても欲しいとみんなが思うものを作っているかどうか、これが私の投資判断の基準です」
こう話しているのは、世界で最も有名な投資家の一人、ウォーレン・バフェットです。
バフェットは、11歳から投資を初めて、89歳になった今816億ドル(世界第3位)の資産を築いています。
・長期保有
・集中投資
・事業を見る
ウォーレンバフェットは株券を購入してきたのではなく、事業を買ってきました。その企業の事業を知るには、アニュアルレポートを見るだけで問題ないし、理解できないようなアニュアルレポートを書く企業は購入に値しない、とまで言い切っているのです。
アニュアルレポートってどうやって読むの?
ここからが、今回のメイン!「アニュアルレポートの読み方」についてです。講師のびすこ氏が満を持して登場!
アニュアルレポートは数字が苦手な人も読みやすくまとめられています。ここからは、有名企業のアニュアルレポートに、どのような事が書かれているかをみんなで確認していったのでご紹介します。
①夢と魔法の国…を経営しているあの会社
1発目は皆さんご存知、あのディズニーリゾートの運営会社です。最初のページには、「企業理念」や「ロゴマークの由来」などが書かれています。
アニュアルレポートは、オンラインで公開されています。
その他にも、以下のような株式投資の判断にも重要な情報が分かりやすく書かれています。
・集客単価の増加
・キャッシュフロー
・今後の展望 など
新しいアトラクションのソアリンが導入されてから、ゲストがどのように動きが変わったか…そんなことまで書かれています。
アニュアルレポートの中に出てくる「CSR」と「ESG」について簡単に解説します。
CSR・・・法令遵守。
ESG・・・環境とか社会とか。イメージとしてはESGの中にCSRが入っている感じです。
by びすこ
②もはや電化製品だけではない!エンタメ、金融…
海外では取締役会と執行役は、明確に役割が分かれているが、日本では混同されている。そうです。とりあえず、取締役会は法律で定められいる組織で実質会社を動かしている人!
③日本企業による過去最大のM&Aを実施したあの会社
お次は武田薬品の・・・これまた取締役会のページを閲覧・
しっかり、アニュアルレポートの中にも「多様な視点から生まれる」と書かれていました!
グループワーク:実際に読んでみよう!
びすこ氏の「アニュアルレポートの読み方」のレクチャー後、グループに分かれて大手通信企業3社のアニュアルレポートを実際に読んでみました!
3グループに分かれて、3社のアニュアルレポートを読んでみよう!
docomo・au・ソフトバンク
各グループそれぞれ、ディスカッションしながらレポートを読み解いていきます。
各グループの発表!
各グループごとに、アニュアルレポートを読み解いて気づいてことをいくつか発表しました。
DOCOMOチーム
・通信事業やスマートライフ領域が主なビジネスモデル
・今後は5Gなどの技術領域が発展していく
auチーム
・自分達のユーザーに価値を提供している
・au経済圏も着実に広げている
統合レポート(アニュアルレポート)|IRライブラリ|KDDI株式会社
ソフトバンクチーム
・あまり通信のことは書かれていない
・アームのチップなどの話が書かれており、AIを支える半導体に力を支えているのではないか
・DOCOMO、auとまったく違う観点でアニュアルレポートが書かれている
ここでは簡単に一言だけ触れましたが、各グループわずか15分という短い時間で、かなり本質的な部分を読み取れたようで講師のびすこ氏も驚いていました。
まとめ
今回、アニュアルレポートを読んだのが初めての人が多かったのですが、講師のびすこ氏の話も分かり易く、またウィットに富んだボケも織り交ぜて進行して頂いたおかげで、非常に満足度の高いイベントになりました。
帰り道に、さっそく自社のアニュアルレポートを読んで、競合他社との比較を行った方!
今後も、面白い会期待しています!ありがとうございました!
Roots Lab.では定期的にイベントを開催しています。興味のあるテーマがあればぜひご参加ください!