この記事では、(特に大企業における)昇格試験で課される論文で、減点されないための基本的な注意事項をお伝えします。
「いやいや、そんなの読めば分かるだろ」とか「採点者も想像力働かせて、上手く読み取ってくれよ」と思うようなところばかりかもしれませんが、昇格試験というのはそんなに甘くはありません。
何故なら、「落とすため」にあるのが昇格試験です。したがって、余計なところで減点されないように、細心の注意を払って記述しましょう。
「ですます調」か「で・ある調」どちらかに統一する
論文において、「ですます調」or「で・ある調」のどちらの文体を使うかについて、一番最初に迷うところではないでしょうか?
結論からいうと、どちらでも良いです。ただし、どちらかの表現に統一して書く必要があります。
①「・・・である」 ➡である調
②「・・・です」「・・・ます」➡ですます調
それぞれの文体の特徴についてもお伝えしておきます。
■ですます調
・比較的やわらかい印象を与える
・読み手にも優しい
・語尾が変化しにくく、文章が単調になりがち
■で・ある調
・比較的堅苦しい印象を与える
・断定形ゆえに読み手により強い感情を与える
・「だ」「である」「らしい」「している」「思う」など複数の表現を使用できるため、文末表現に変化をつけやすい
このように、「で・ある調」の文末表現の印象は「ですます調」と比較してより強い感情と心構えをもって読んでもらえることが分かります。
用語の統一
こちらも基本中の基本です。PCとパソコンなど、同じ「もの」を指す名詞は、混合せずに表記を統一しましょう。
・Webページとウェブページ
・PCとパソコン
・スマホと携帯
・TVとテレビ
前向きかつ能動的な表現
意見や主張を述べる時は具体的かつ前向きで能動的な表現にしましょう。
それぞれ事例を用いて解説します。
①前向きな表現
あきらめムードや投げやりは絶対ダメ!熱意や自身を持って前向きに表現すること
■悪い例
私が導入したシステムによってかなりコスト削減ができたと考える。
■悪い理由
「多少」といったあいまいな表現と、「~考える」という”意見”を述べることで自信が薄れた印象を受ける
■良い例
私が導入したシステムによって〇%のコスト削減を実現した。
■良い理由
「〇%のコスト削減を実現した」と具体的な数値と事実を書くことによって自信が伝わる
②能動的な表現
受動的な表現はダメです。多少の誇張はOKなので、とにかく自主性、当事者意識があることを伝えるために能動的な表現を用いましょう。
■悪い例
・私は部長からアサインされて、▲▲チームに入った。主にΔΔさんの提案の結果●●が実現した。
■悪い理由
たまたまアサインされて▲▲チームに入っただけで、そこに自分の意志はない。また、他の人の提案がとおることで●●が実現しているので、自分の役割が明記されていない。
■良い例
・私は●●を実現するために、他部門のメンバーを巻き込み▲▲チームを作った。その中で自分はXXという役割を担って、結果として●●を実現した。
■良い理由
目的をもって、人を巻き込んでいる書き方になっている(そしてきっかけはどうあれ、どんなプロジェクトであれ事実人を巻き込んで推進していくべき)。その中で、自分の役割が明記されており、結果どうなったかが分かる表現になっている。
簡潔な表現
冗長な表現は嫌われます。端的で簡潔な表現を心掛けましょう。
①であると思われる ➡ である
②しかしながら ➡ しかし
③必要であると言える ➡ 必要である
④その結果として ➡ その結果
⑤ないけれども ➡ ないが
主語の省略
基本的に主語は省略しないこと
■悪い例
グローバルな競争の中で、中核事業の成長が止まり、新規事業の育成が急務とされている。
■良い例
グローバルな競争の中で、弊社は中核事業の成長が止まり、新規事業の育成が急務とされている。
お薦めの勉強法
最後に、お薦めの勉強法をお伝えします。
それは、何と言っても実際に手を動かして論文を書くことです。
僕の場合、最初はパソコンで打っていましたが、試験が近づいてきたら本番同様に、鉛筆とA4用紙を準備して時間を計りながら書いていきました。
また、論文対策の勉強で良かった本をご紹介します。
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この本は、ポイントがしっかりまとまっており、例文もたくさん載せられているため非常にわかりやすいです。
本ブログで書いていることも一見すると「そりゃそうだ、当たり前だ」と思う事も多々あったかもしれませんが・・・
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